予言の自己成就

「紙に書けば願いは叶う」
「人に話せばその夢は叶う」
こんな話を聞いたことがある人も多いかと思います。
 
 
これは、紙に書いたり、人に話すことで
自身へその夢を予言し、すりこみを強化することが出来るためで、
 
 
成功本の中には、ただノートに夢を書き記しておいたところ
数年して読み返してみると、無意識のうちにそれらはすべて叶えていた
というようなことを書いているものもあります。
 
 
「無意識のうちにすべて叶った」と言われると
個人的には信じがたい部分も多少あるのですが、
書き記したり、人に話すという行為はそれだけその人の無意識へ
強力に働きかけるということなのでしょう。
 
 
人間にはたとえ根拠のない予言であっても
その予言を信じることにより、
予言や期待に沿った行動をしたがる傾向があります。
 
 
その結果、予言通りの現実が出現することは
社会心理学上「予言の自己成就」と呼ばれています。
 
 
この「予言の自己成就」のネガティブな事例として挙げられるのは、
1973年に起こった「豊川信用金庫事件」があります。
当時、実際には豊川信用金庫の財務内容は安定していたものの、
 
 
同信用金庫は倒産するという噂を聞いた人々が
豊川信用金庫の倒産を信じて一気に預金の引き出しにかかり
全体として20億円もの現金が引き出され
経営活動を不能にしたのです。
 
 
これはこうなるのではないかという不安を伴った思い込みが、
思い込みに沿った行動に人々を向かわせ、
結果として予言された現実を
実際につくってしまった典型例と言えるでしょう。
 
 
一方、この「予言の自己成就」のポジティブな事例として挙げられるのは、
昨今の若い女子ゴルファーの活躍です。
宮里藍さんが高校生ながらプロのト-ナメントで優勝し、
プロになって以後、
 
 
長い間、若い女子ゴルファーの活躍がなかったにも関わらず
横峰さくらさん、上田桃子さんをはじめ
ほぼ同年齢の選手が一気に活躍をし始めました。
 
 
勿論、幼い頃からの訓練の結実した時期が
たまたま同じだったということも考えられます。
 
 
しかし、年齢を重ねないと、キャリアを重ねないと活躍できない
といった思い込みを破ることができたのが
昨今の活躍にあたって一番大きかったのではないでしょうか。
 
 
同世代の選手達が
「自分にもできる」そう自分に対して予言し、信じることができたことで
一気に台頭を始めたのだと思います。
  
 
「予言の自己成就」という理論を展開した
社会心理学者のWIトマスはこんなことを言っています。
 
 
「もし人が状況を真実であると決めれば、
その状況は結果において真実である」
 
 
不可能、可能の曖昧さを前提に努力をしていても、
夢は叶うことがありません。
 
 
達成を前提に、しっかりと達成の期日とやるべきことを決め
具体的な行動に落とすことで、夢は叶うものなのでしょう。