医師が患者の健康を管理する際、丁寧にヒアリングや健康診断を行うように、或いは、経営コンサルタントが企業の事業内容を改善する際、事細かに経営環境のヒアリングを行うように、

時間を管理するには、はじめにあなたが時間をどう使っているか把握する必要があります。

 

 

時間というものの存在が目に見えないものである以上、あなたが置かれている状況をあなた自身がしっかり把握しない限り時間を管理することなどできないのです。

 

 

まずは、あなたが朝起きてから就寝するまで1日をどう過ごしているか書き出してみましょう。

 

 

何時に眼を覚まし、何時に家を出て通勤にどれくらいの時間をかけ、仕事は何時までして夕食や入浴、テレビを鑑賞する時間は何時からどのくらいかけるのか、一本の棒を24時間に見立てて刻んでいくといいでしょう。

 

 

1日の時間の使い方を書きだすことができれば、次は、同じ要領で1週間分どう過ごしているか書き出してみます。

 

 

1週間ともなると思いだしづらいのは当然ですが、まずは、大雑把なものでも構いませんので書きあげてしまいましょう。

たとえ大雑把なものであっても1週間程度、時間をどのように使っているか実際に書きあげると、捉えどころのなかった時間というものの存在を可視化でき無駄な時間や非効率的な時間を発見しやすくなります。

 

 

書きだしたことで初めて無自覚のうちに垂れ流している時間の多さに気づくことができるでしょう。

 

 

そこで次のステップは時間の使い方を更に検証するために、また、それぞれの時間の充実度を測るためにマトリックスを用いたマップ化を行います。

 

 

これは時間を管理するにあたって重要な要素二つを縦軸と横軸に置き、二次元のマップを描いて時間の使い方を検証する方法です。

 

 

時間を管理する上で最も一般的なマトリックスは「重要度の高低」と「緊急性の高低」をそれぞれ縦軸と横軸にとったものです。

 

 

このマトリックスは洋邦問わず多くのビジネス書に出てくるもので、それだけにあなたがどういった性質のものに時間を使っているか再認識するにはもっともわかりやすいマトリックスと言えるでしょう。

 

 

最初の作業で書き上げたあなたの時間の構成要素をもとにマッピングしていくと下記の通りとなり、

「緊急度 高」×「重要度 高」

 消費の時間  ex 毎日の事務処理

 

「緊急度 高」×「重要度 低」

 浪費の時間  ex 通勤、重要でないアポイント

 

「緊急度 低」×「重要度 高」

 投資の時間  ex 勉強、スキルアップ

 

「緊急度 低」×「重要度 低」

 空費の時間  ex テレビ、インターネット

 

 

目標達成のための効率化という視点から見ていくとこのマトリックスが一番わかりやすいでしょう。

 

 

このマトリックスを理想のマトリックスにするには、はっきりとした目的のもと優先順位を決めて、短期的ではなく長期的な効果の高いことに注力することが鍵と言え、

多くの場合「投資の時間」を重視することが将来的な時間効率を高めていくことになります。

 

 

ただ、このマトリックスでは効率化の側面から中心に見たものなので、時間や人生を管理する上では、他の視点も存在します。

 

 

そこで僕がお勧めしたいマトリックスは「どうしても叶えたい夢がある人の時間術 / 著・藤井孝一」にあった、

片方の軸の両端を「自分のために使う時間」と「人のために使う時間」とし、もう片方の軸の両端を「やらなければならないことをする時間」と「やりたいことをする時間」とするマトリックスです。

 

 

これはいかにして時間を管理するのかという問いに対して、充実度や幸福度を切り口に時間の使い方を可視化したものです。

上記二軸をもとにマッピングしていくと下記の通りとなり

 

 

「自分のために使う時間」×「やらなければならないことをする時間」

 ex 体力づくり、食事睡眠

「自分のために使う時間」×「やりたいことをする時間」

 ex 娯楽、趣味、旅行、映画鑑賞

 

「人のために使う時間」×「やらなければならないことをする時間」

 ex やらされ仕事(コピーとり、クレーム対応)

 

「人のために使う時間」×「やりたいことをする時間」

ex 子育て、家族サービス、ボランティア、後輩の手助け

 

 

これなら時間の効率化を管理するだけでなく、それぞれの時間の充実度や幸福度までも管理することができます。

 

 

最初に紹介した「重要度」と「緊急度」のマトリックスでは無価値とされた、インターネットをすることやテレビを見る時間もインターネットをすることやテレビを見ることの幸福度が高い場合には必ずしも無価値とならない点が特徴で、時間や人生の品質管理が可能となります。

 

 

このマトリックスによると、多くの人が最も多くの時間を費やしているのが「人のために使う時間」×「やらなければならないことをする時間」と考えられます。

 

 

あなたの人生を理想のマトリックスに近づけるには、まず、この他人意志で、更に義務感で動くという、とても充実しているとは思えない時間を減らし、自分の裁量で時間の使い方を決められるようになることが先決です。

 

 

そして、自分の裁量で時間の使い方を決められるようになれば、次の段階で「人のために使う時間」を増やすことを心がけることです。

 

 

とにかく時間がないという方の場合、まずは、「自分のために使う時間」×「やりたいことをする時間」を確保するのが当面の目標となるでしょうが

 

 

この時間はいざ確保してみるとかなり早い段階で空虚な満足感しか得られないことに気づくと思います。

 

 

なぜなら、人は人との繋がりの中にのみ存在意義を見出せるからです。

どれだけの時間や金があっても、他人の喜びが得られない時間や金は空虚なものでしかありません。

 

 

趣味や娯楽に走ると確かに楽しいでしょうが、何より人の役にたてた時、人は深い充実度を感じるものなのです。

 

 

いかにして人生の充実度、幸福度を上げるかと考えると

「人のために使う時間」×「やりたいことをする時間」という自分意志で他人のために動くという時間をどれだけ増やすかが鍵となるのです。

 

 

 

今回は時間の使い方を分析するにあたって二つのマトリックスを紹介しましたが、それぞれあなたの人生の目的にあったマトリックスを使うことが必要です。

 

 

あなたは1日、1週間をどう使っているでしょうか。

 

 

あなたがどんな努力をしたところで1日が24時間、1週間が7日という事実を変えることはできないのですから、あなたが他のことに使っていた時間をあなたの人生の目的に沿ったものに使うしかありません。

 

 

無計画に時間を使っていても状況が改善されることはないのです。

 

 

何も考えず目の前のことを一生懸命やるというと聞こえはいいですが、何も考えず、ただ一生懸命では、あなたが夢に近づくことなど有り得ません。

しっかり検証を重ね時間の使い方を工夫することです。

 

 

あなたが時間の使い方を変えることで、人生は音をたてて変わり始めるのです。